スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | - | -
『海辺のカフカ〈下〉』村上春樹
評価:
村上 春樹
(2002-09-12)
Amazonおすすめ度:
上巻の続き

海辺のカフカ(下)を読み終わった。
読んでるときは読み疲れしないんだけど読後にくる。どっと疲労感。笑
意味ありげな伏線と、展開を暗示するような上巻の結末。
想像を膨らませながら下巻へ。


うーん……わけ分からん。笑
ストーリーの本筋は飲み込めたと思えるし、結末も好きだけど。
にもかかわらず、分からないことが結構ある。

何故あの人がそれを、何故そこからあれが。
結末に辿り着くと疑問が次々沸いてくる。
教科書のような解答を求めてた訳じゃないけど、なにかしらの説明はあると思ってたから結局は謎は謎のままなのか……と軽く放心してしまった。

つまりはメタファーということなのか、そこまで含めて世界はメタファーだと。
だとしたら、それを理解する見方が僕にはまだなかったみたい。
現実と非現実の境目を最後まで探してたし。
『国境の南~』のときは、少なくとも疑問を解消させる「取っ掛かり」はあったんだけどなあ。
僕は村上春樹の本を読むとなんというかこう霧の中に入っていくような感覚を味わうんだけど、本作は特にその霧中感が濃い。
霧の中でふわりと現われ過ぎ去ったものに、あれは何だったのかと振り返ってももう見えないの。
もうね、筆者の言いたかったことの幾つかを読み取れてない気がしてモヤモヤしちゃうのよ。笑

しかし訳が分からないなりに面白いと思えるのがほんと不思議なところで。
読んでて意味不明すぎて読むのを止める本ってあるけど、村上春樹の作品ではそうならないんだよね。
彼の文体には依存性があるのかもしれない。
独特の世界が広げられた一冊だった。

僕は本を撫でてみる。
――なあ、本くん。僕も色々と考えてはみたんだけど、
  実際のところどうなんだろうね。

無言。笑




にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
投票して本ブログランキングを開きます。
作家別・マ行(村上春樹) | comments(0) | trackbacks(0)
『海辺のカフカ〈上〉』村上春樹
評価:
村上 春樹
(2002-09-12)
Amazonおすすめ度:
時間と空間のない孤独――。

15歳の誕生日、田村少年は家を出た。帰る予定はない。
何かが起こる予感があった。それを恐れていた。
しかし確かめる必要もあった。自分が自分であるために。
世界で一番タフな15歳になるために、少年は家を出た。



『国境の南、太陽の西』以来の村上春樹作品、本作で二作目。
上下巻併せて1000ページ近い文量。
原稿用紙だと1600枚ぐらいなのかな。大作ですね。

相変わらずの難解っぷり。
僕の中では「(春樹×難解)÷再読=面白い」という方程式が成立したよ。
あえて難解なテーマを取り上げてるのかな。
15歳の少年を通して語られる物語には「何をもって僕が僕でいられるのか」「僕が僕でいるためにはどうあるべきか」というアイデンティティの模索様が感じられる。
その点では『国境の~』と共通した部分もあると思った。

上巻を読み終えたところでは面白い話だと思った。
難解な内容だけに文体が硬くて読みづらいと思うこともあった。頻出する引用のいくつかは、(引用元をよく知らなかったこともあるが)すっきりしないこともあった。
それでも、筆者が分かりやすい文章を心がけていると感じられて、その上で趣旨を崩さずに書いた結果なのかなと思った。

物語は家出した少年カフカの視点と、猫探しをする老人ナカタさんの視点とで交互に綴られていく。
実を言うと最初の数章は「わけ分からん」だし面白味を感じてなかった。
状況説明がまったくなくて、突きつけるように、決定的に進んでいく話に辟易しかけていた。
異なる視点で交互に語られる手法は、何度となく使われてきた手でもあったので、二つの人物に関連性がありいずれはつながっていくのだろうとは思いながらも、まったくつながりが感じられなかった。
悪いことにそれが余計に僕の「読む気」を削いだ。

しかし、筆者の難解ぶりは前作で体験済みであったし、自分の読解力の低さも自覚しているので(笑泣)、読み続けた。するとやっぱり面白い。不思議だ。
文体や人物の台詞は意味を考えさせられるものばかりで、読むほどに言葉が深化して物語の世界が広がっていく感覚が味わえる。現実世界かと思えば、非現実世界のようでもある。理解することは難しいけど、彼の本を楽しむことはできる。なんとはなく共感もする。
僕にとってはそれが限界だけど、それで満足できる。
下巻を読み終えてないので、とりあえず星3つで保留しました。

予告なく突入する暴力的なシーンや性的描写には少しドキッとするし、拒絶反応起こす人もいるかもしれない。猫好きな人には勧めにくい本である。
では、そろそろ手元にある下巻を読みたいので落ちます。


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
投票ボタンです。本ブログのランキングが開きます。
作家別・マ行(村上春樹) | comments(0) | trackbacks(0)
『国境の南、太陽の西』村上春樹
評価:
村上 春樹
(1992-10)
Amazonおすすめ度:
僕が生きるのは幻想か現実か――。

一人っ子であることに、ある欠落感を感じていた少年・始(ハジメ)。
転校してきた少女は、そんなハジメの心を満たす初めての友達だった。
淡い恋心を胸に秘めたまま、ハジメは大人へなっていく。
ジャズを知った。恋人ができた。セックスを覚えた。
仕事に打ち込んだ。結婚した。ジャズバーを作った。
望んで得た幸せな生活のはずだった。25年ぶりに彼女と再開するまでは――。



最初に読んだときの率直な感想は、よく分からん、だった(笑)
特に文章が読みづらかったという訳ではなくて、なんだか胸がもやもやする感じ。それで確認するように再読したら、驚くほど印象が変わった。主人公に感情移入して読むより、距離を置いて読んだ方がいいかも。不思議な恋愛小説。

この小説のポイントは、三人の女性の存在。
「愛した女」「愛する女」「愛したかった女」
25年という長い時間をかけ、三人の女性との恋愛模様を描き、
主人公の幻想への欲求を、過激な性描写で浮き彫りにしていく。
満たせども尽きない欲求は、やがて三人の女と主人公をそれぞれの結末へ。

入れ替わり登場する三人の女性は、それぞれが主人公にとって重要な意味を持つ。特にイズミは、中盤以降、一面的な表現でしか語られず、その印象は読み手によって大きく分かれるかもしれない。彼女の存在をどう捉えるかで、作品自体の印象が全然変わってくる。
再読して彼女に対する印象がかなり変わった。
島本さんや有紀子に気を取られて、終盤、彼女の登場部分を無意識に読み流してた。ハジメにとっての戒めでもあり救いでもあるんだね、彼女は。泣けてくる。

ありがちな題材でありながら、明瞭な構成とオリジナリティ溢れる文章の牽引力は見事の一言。完成度は極めて高く、10年以上前の作品とは思えない色褪せぬ魅力がある。恋愛欲求を「欠落感」や「吸引力」と受動的な表現にし、やんわりと主人公の不倫心理を肯定するなど、読み手に抵抗を感じさせない巧みな配慮も所々に感じる。


ちょっと野暮なこと言えば、日本が一夫多妻の国だったらこの話も変わってくるなあ、なんて考えた。考えてみたら可笑しな話だ、人が作った法律の中で人が恋愛してるっていうのも。国によって許されたり許されなかったり。
アレだね。
恋愛を遺伝子で語ると冷めるとか言うけれど、恋愛は法律で語っても冷める。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
読んでいただきありがとうございました
作家別・マ行(村上春樹) | comments(0) | trackbacks(0)
Categories
Recent Comments
Archives
ランキング
にほんブログ村 本ブログへ

人気ブログランキングへ

Search this site :
RECOMMEND
RADWIMPS2~発展途上~
RADWIMPS2~発展途上~ (JUGEMレビュー »)
RADWIMPS,野田洋次郎,服部隆之
ラッドにはまってます。
発展途上には収録されていないものもあるけど、「愛し」「祈跡」「夢見月に何想ふ」「ふたりごと」「もしも」は、もう長いこと僕の部屋でヘビーローテーション。笑