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『あの頃ぼくらはアホでした』東野圭吾
評価:
東野 圭吾
(1995-03)
Amazonおすすめ度:
知らない人のほうが少ないだろう人気作家・東野圭吾の赤裸々エッセイ。

良くも悪くも意外な一冊。
この人がアノ『白夜行』を書いたアノ東野圭吾なのか、と驚いた。

小学生〜大学卒業時代の筆者が経験してきた、
選りすぐりのアホエピソードが紹介されている。

小学生時代の怪獣ブームのくだりはハッキリ言ってついていけない、
あれはリアルタイムで体験した者だけが共感できるんだろう。年代の時差を感じた。

中学時代の不良たちと過ごした学生生活は、東野さんほどじゃないが
実体験として共感できる部分が多くて楽しめた。
読みながら高校時代を思い出した。
通学中に路線バスから飛び降りたことがあったんですが、今考えても、
何故にあんな無謀でアホだったんだろう、そして何故楽しいと思えたんだろう分からないああ分からない。

ちょいと悪ノリさせてもらいました♪的なエッセイで、文体から、東野さんがニヤけながら書いているような印象さえ受けることも(笑)

正直、東野圭吾ファンでなければ楽しめるか疑問。
少なからず東野圭吾に興味がある人に薦めようと思いました。
作家別・ハ行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(0)
『宿命』東野圭吾
評価:
東野 圭吾
(1993-07)
Amazonおすすめ度:

勇作と晃彦、宿命の物語。
幼いころ、出会ったときから勇作は晃彦を強く意識していた。
しかしそれが何なのか、それまで抱いたことのない感情の正体が分からない。
苛立ちを覚え、それは敵対心となり、競い衝突する二人。
やがてそれぞれが別々の道を歩み始める時、その関係も消えてゆくかに思えた。
しかし数年後、二人は再会することになる。宿命のもとに。



小説を読むとき、特にミステリの場合、一旦読書を中断することがある。
事件直後と結末直前。
それまでの内容を整理して、推理するのだ。
読みながらでもいいんだけど、それだと僕の場合「だろうなあ推理」になる。
何となくこういう展開だろうなあ、この人が犯人だろうなあ、とアバウトになる。
だから中断して内容を整理する。
すると続きが非常に読みやすい。僕は理解力不足なので
まあこうすると、真相を知ったときの衝撃が倍増する。
あんなに考えたのにぃ!ってね。
騙されるというのは快感ですよね、小説に限ってですが。
それに、もしも推理が当たろうものなら、それはそれで自画自賛だし(笑)
デメリットは、読むのに時間がかかる。…うん。かなり。


正清事件。この真相は釈然としなかった。
小さいことなんですが。
以下ネタバレ含みます


瓜生直明のコレクションであるボウガンを使えば、捜査の目が瓜生家に向けられるのは明白。当然、瓜生家の人間にも疑いがかかることは簡単に予想できる。

瓜生派の人間である松村が、なぜ瓜生家の人間に疑いのかかるボウガンを使ったのか。作中で松村が語った凶器を選んだ理由が、

当日瓜生家に人が集まることに着眼し、瓜生家のボウガンを凶器に使うことを思いついた。 そうすれば自分以外の人間に疑いがかかると考えたから

である。

この理由は、彼の印象や犯行動機からすると、
あまりに自己中すぎて違和感を感じてしまったんだけど。僕だけなのかな…。
救いは、当日瓜生家に集まる人間が須貝家の人間だったこと。
つまり須貝家の人物にも疑いの目が向けられることだけど。うーん。

作中で明かされている本人が話した犯行動機は二点。
警察が把握していない動機を含めると三点。

・瓜生家が築いたUR電産を、須貝派に支配されるのが我慢ならなかった。
・唯一の瓜生派である自分が、須貝に迫害されないため。
・電脳式心動操作方法の研究再開(人体実験)を阻止するため



自己中心的な考えからの犯行というより、良心に従った末の犯行という印象を受ける。犯行後、松村が自首したなら納得だったんですが、瓜生弘昌が逮捕されても自首しなかった。そこは共犯者のことを考えて自首できなかった、ということらしいが…。
そうなると、大切な人を共犯者にしてまでボウガンを凶器にする必要があったのか、と思うわけで。
彼が犯人なら瓜生家のボウガンをわざわざ盗み出して使う理由が分からないわけです。ただ、このボウガンは『宿命』の中で重要な意味を持つアイテムの一つ。
そう考えると、松村がボウガンを凶器に選んだ理由は作者側の事情、と整理するしかないか。そうしておこう。

ボウガンの件は気になりましたが、それでも充分楽しめました。
伏線の裏にさらに伏線を張ることで、話を二転三転させ、読者を引き込む仕掛け。また、その堂々とした伏線の張り方に、真相を知ったときの衝撃は格別。

事件が起きた、犯人は誰だ――というミステリの常道に留まらない、
人間の心にスポットをあてた個性的なミステリだと思う。

作者が、最初から決めていたという結末の一行。
東野圭吾によって、意外な一行に、ドラマチックな一行に仕上げられていく様は、一見の価値がありました。

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読んでいただきありがとうございました
作家別・ハ行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(0)
『幻夜』東野圭吾
評価:
東野 圭吾
(2004-01)
Amazonおすすめ度:
三日かけてようやく読了です。幻夜。
長かった。

阪神淡路大震災の真っ只中、混乱に乗じて罪を犯す雅也、それを目撃した美冬、異常な状況で出会った二人。一心同体となり互いを支え補う二人が、表では一切の関係を絶っている、という関係は『白夜行』の亮司と雪穂を思い出させる。

実は、読む前から知ってた。白夜行と幻夜だもんね、匂う。
しかも、ネットで白夜行を調べたとき、白夜行の続編が幻夜というレビューをかなり見てたし。

というわけで、続編読むぞーって気持ちで読んだわけです。
実際、読んでみると白夜行と非常に似通った展開。
そして、そこここに散りばめられた白夜行とリンクするキーワードたち。
作者は続編と明言していないみたいだけど、明らかに白夜行を意識したつくりだ。
しかし、同じ物語を読まされてる感覚はなく、別の物語として見れる。
おそらく、白夜行で意図的に欠落させていた部分を明らかにしているからだと思う。白夜行では、雪穂と亮司の犯罪に身を染めていく心理と、犯行の過程がすっぽりと抜け落ちており、それは読み手の想像に委ねられていた。
それが幻夜では違う。
目的のため、自分の身を守るため、他人を排除しようと考える美冬の裏の顔を、はっきりと見ることができる。雅也も、穏やかな生活を望みながらも、自分と愛する女のために罪を重ねる苦悩と顛末が細かく描写されている。

これは読者によっては、裏切られた気持ちになるかもしれない。
白夜行での悪女・雪穂は、悲惨な過去こそ分かるが、その心理描写を廃したことで不気味な怖さを読み手に与えていた。幻夜を続編として読んだなら、美冬に成り代わっているのは当然、雪穂になる。表に出てきたことで不気味な印象は薄れてしまうだろう。

僕としては、面白いと思った。
というより、白夜行の雪穂の悪女っぷりに暗い衝撃を受けたものの、彼女のそこまでやるかという必死さが見れなかったことが残念だったからだ。そこが見たかった。
雅也にも同じことがいえる。白夜行の亮司とは若干位置がはっきりしてませんが、影の影に徹した男の姿を知ることが出来る。

さっきも書きましたが、白夜行とリンクしたキーワードが出てくるところも面白味が増していいです。物語としては幻夜だけでも成り立ちますが、白夜行とリンクすることで物語と美冬の人物像に深みがでます。このリンクが本当に違和感なく物語に組み込まれているので、面白味が何十倍にもなった。

ちょっと褒めすぎた。
加藤という刑事がでてきますが、僕はあの刑事が好きじゃなかった。
そんなわけでラストで、あーなるほど、と思った。意外なラストだったんだけどね…。意外な結末だったけど、加藤の印象も悪かったから衝撃の度合いは低くなった。残念。
脇役の男たちもダメすぎると思った。愚かすぎる。
美冬と雅也に陥れられるにしても、あまりに考えが浅い…小学生かと思った。
別に美冬たちの好敵手になれとは思わないが(美冬の悪女っぷりが薄れるし)、あまりに愚か過ぎて美冬の怖さをいまいち引き立ててない気がした。

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読んでいただきありがとうございました
作家別・ハ行(東野圭吾) | comments(5) | trackbacks(0)
『白夜行』東野圭吾
評価:
東野 圭吾
¥ 1,050
Amazonおすすめ度:

19年前(1973年)、大阪で起きた殺人事件。
何人もの容疑者が捜査線上に浮かぶが、決定的な証拠がないまま事件は迷宮入りに。
被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂は、その後別々の人生を歩んでいくかに見えた。だが、二人の周囲には不可解な凶悪犯罪が次々と起きる…。



うまい、うますぎるよ。
一本の紐を、長い紐を辿るような、そんな感覚にさせられた。
紐を辿ることに何の疑問も抱かなかった。むしろそれが楽しくてワクワクしてた。
そして、もう戻れないところまで来てようやく気付く。
紐だと思っていたものは導火線だったんだと。
その先にあるものは想像できたが、それを確かめないと気持ちがおさまらない。
そんな感じ。悔しくなるほど面白い。

結構、量があると思ってたけど読んでみるとそれは感じない。
なんというか、読んでる間中ワクワクしっぱなし。
今、書いてて"ワクワクする"なんて子供っぽい言葉だなと思った。
しかしこの人の言い回しには遊び心があって、思わずニヤけてしまう。
続きに期待してしまう、ワクワクしてたんだね。
うん。やっぱり、この言葉がぴったりだ。

読後、読みきったという満足感はなかった。
なぜなら、未消化な部分があったからだ。
不快ではない。あえてそうしていることが分かるから。
だから考える。
最後の一文を読み終えたあと、しばらく考える。
答えはでなかった。作中で明らかにされてないんだから当たり前なんだけど。
そして再読しながら思う。
ああ、これが東野圭吾の狙いなんだろうなあ、と。
可笑しなもので、そこで満足感を得た。
彼の独創的なプロットに賞賛をおくりたい。

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読んでいただきありがとうございました
作家別・ハ行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(0)
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