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『犯人に告ぐ』雫井脩介
評価:
雫井 脩介
(2004-07)
Amazonおすすめ度:
劇場型犯罪 vs 劇場型捜査

神奈川県警警視・巻島文彦は、管理官として幼児誘拐事件の捜査に加わっていた。
容易に解決するかに見えたが捜査は失敗し、事件は最悪の結果となる。
さらに、記者会見で対応を誤った巻島は、内外の心無い批判を浴びながら閑職へと追いやられる。
――六年後。
難航する連続幼児誘拐殺人事件の捜査責任者として、巻島は再び第一線に呼び戻される。
彼に与えられた任務とは、日本初のマスコミを使った特別公開捜査の指揮だった。



これは何というか、ハリウッドで作った邦画のようだ。派手で地味。
矛盾してますが、とりあえず褒めてます。
題名や主人公の職業から、警察小説と安易に括りたくなるが、
犯罪の残虐性や犯人の描写は驚くほど少ない。

主人公の人物設定上、犯人を追う警察という構図で物語が始まる。
この一章は、六年前の巻島が描かれている。
物語の導入部にしては面白いと思わなかった。何だか地味な展開なのだ。
実際、一章を読み終えた時点では「この本、失敗かも」と思ったぐらいだ。
ただ、この章が欠かせない部分だったことは後に分かったが。

二章以降、話は現在に戻り、劇場型捜査を中心に話が進む。
ここから序々に話に引き込まれた。物語も本題に入り、いよいよ犯人対巻島かと思った。が、どうやらそれだけではない。テレビで犯人と対決すると言っても、ヒーローのように都合良く話が進まないという訳だ。

警察内部の確執と裏切り、マスコミの裏表、被害者遺族の苦しみ、そして守るべき家族。「劇場型捜査」を舞台にしながら、そこで描かれるのは捕物帳ではなく人間ドラマ。派手さが無い。しかし、だからこそ現時味があり面白い。
ミステリ部分はほぼ切り捨てて、ドラマ部分に重心を置いている。
結末に賛否あると思うが、僕はキレイにまとまった良い結末だと思った。
結末前の巻島のアノ台詞でも満足したし。シビレタ。

突っ込みどころを言うなら、犯人や巻島を含めた人物描写。
台詞だけでなく、もう少し地の文でフォローして欲しかった。
とはいえ大方の評価の通り、とても面白かった。著者の筆力が光る渾身の一作…と、本作しか読んだことないのに調子いいこと言ってみる。
それほど、話の運びが巧い。
淡々とした筆致ながら、飽きることなくすらすらと読めた。

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読んでいただきありがとうございました
作家別・サ行(雫井脩介) | comments(0) | trackbacks(0)
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